1月20日(水)、ボランティア啓発企画としてボランティア講演会を開催しました。 講演会では、NPO法人フードバンクふじのくに事務局次長 鈴木和樹さんを講師にお招きし、「社会を変える生き方」~フードバンクという挑戦~と題し、生活困窮者支援の取り組みやフードバンクの活動の取り組みについてをお聞かせいただきました。
鈴木さんは、幼少期に生活保護受給世帯で育ち、社会に助けられた自分だからこそ、困っている人の役に立つ仕事をしたいと考え、2007年より生活困窮者支援活動に取り組まれました。現在は、福祉事業団体やNPO、労働団体など10を超える団体が参画し、静岡県内全域で食料支援を行っています。また、NPO法人フードバンクふじのくに事務局次長、生活困窮者の生活・就労支援を行う、NPO法人POPOLOの事務局長を務めるだけでなく、キャリアコンサルタントとして、県内自治体の要請により、長期離職者を対象とした応募書類の書き方講座の講師も引き受けていらっしゃいます。
今回は、生活困窮者支援の話しにより、下流老人・非正規労働・引きこもり・障がい者等で貧困は誰がなってもおかしくない状態とおっしゃられていました。そのきっかけは、奨学金・派遣切り・配偶者の死亡・怪我や事故、災害等との事でした。また、子どもの中では6.1人に1人が貧困と言われていました。
また、静岡県の自殺者数の推移として759名中199名が金銭、仕事が動機になって自殺に繋がっているそうです。そして、生涯未婚率 男性 19.1% 2030年には30%であって、高齢者の社会的孤立や頼れる人がいないや、一人暮らしの人が全体の4倍の12%との事であり、非正規割合が37.7%との事です。その中でも窃盗のうち経済的困窮は17.9%と言う事に驚きを隠せませんでした。
そこで、2010年にNPO法人POPOLOと言う相談窓口の設立をしたとの事です。そこでの相談者としては、精神的な理由・身体・知的な理由・社会的な理由で相談に来る方がいましたが、しかし、相談窓口があっても、解決する出口(方法)を持ち合わせていなかったとの事でした。そこで、2011年に緊急一時宿泊所 を開設し、ホームレス(車上生活含む)・会社の倒産や解雇(派遣切り含む)・家賃滞納による退去・ネットカフェ難民・ネグレクト等で受け入れをしているとの事で、年齢層は、40~50代の中高齢者が中心との事ですが、若い利用者も増加傾向にあるそうです。受け入れた方々が自立できる様に炊事を教えたり、地域の方々にも受け入れてもらえる様にお祭りのお手伝いや清掃活動をしているとの事でした。
NPO法人POPOLOを出られて自立された方から御礼のお手紙を頂く事もあり、また、自立しても食べる物が無ければ、家があっても苦しいのは変わらなかったと言う事に気づかされ、2012年にフードバンク事業開始をしました。フードバンクとは、規格外れや包材破損などで市場流通出来なくなった食品を企業が提供したり、家庭で余った保存食品を個人が寄付するなどし、集まった食品を生活保護1歩手前の状態の方・就職後の初回給与まで食料がない方・各種貸付制度を申請して、受給までの間・雇用保険受給までの間等の生活困窮者などに配給する活動を行なっています。
しかし、信頼を得るまで、なかなか活動は広がらなかったとの事でした。そして、2014年にフードバンクふじのくに設立し、10を超える団体が協力して下さったとの事です。フードバンクは地域の仕組みとして定着させ、食を通じて人の縁を結び、お互いが助け合う、「困った時はお互い様」な社会作りを目指しているとの事です。そして、フードバンクの設立が、私たちの暮らす社会の在り方を改めて見直すきっかけとなり、「もったいない」を「ありがとう」に変えることが当たり前の社会になることを、強く望んでいるとのことです。
静鉄ストアや島田市役所・湖西市役所・各地域の労働者福祉協議会にフードドライブ(家庭に眠っている食品を食品募集受付施設などに集めてフードバンクに寄付する運動のこと)を設置しているとの事なので、皆さんも、家庭で眠っている食品をフードドライブしてみていは如何でしょうか?しかし、注意点として、生鮮食品は受け付けていない事・賞味期限が1ヶ月以上ある食べ物・原則未開封の食べ物・お米や缶詰やパスタやそうめんが喜ばれるとの事です。
この様に、生活困窮者支援の取り組みやフードバンクの活動の取り組みについて語って頂き、一人でも多くの学生の心に届いてもらえたら嬉しいと感じた次第です。これからでも生活困窮者支援やフードバンクの活動にボランティアとして関わるきっかけ作りが少しでも出来たのではないかと思いました。鈴木さんは活動者に20~30代が多いので関わりたいと思って頂ける方がいたら是非来て下さいとおっしゃられていました。
鈴木さんには、とてもお忙しい中、おいでいただき、貴重なお話しをしていただけたことを改めて感謝いたします。本当に有難う御ざいました。
NPO法人フードバンクふじのくにホームページ
http://fb-fujinokuni.org/
鈴木さんには、とてもお忙しい中、おいでいただき、貴重なお話しをしていただけたことを改めて感謝いたします。本当に有難う御ざいました。
NPO法人フードバンクふじのくにホームページ
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